Tuesday, September 27, 2016

新調/清朝



奈良滞在時に、お昼を食べに行った奈良ホテル。オードリー・ヘップバーンにチャップリン、格式あるホテルらしい華々しい宿泊客。館内あちこちに歴史を語る写真や道具類があり、メインダイニング前にあったこちらに目を奪われた。愛新覚羅溥儀の来館時に新調。


清朝最後の皇帝。ベルトルッチ「ラスト・エンペラー」の、あの人。反射的に去年の夏の北京を思い出した。




紫禁城(故宮)には、いろんな人を連れてこれまで10回ほど行っているので、去年の訪問時はパスした。なにぶん広いので、隅々まで観て回るには時間がかかる。しかし、北京に来たからには故宮を眺めておきたい欲求はあり、夕食の約束をした友達に、せっかくだから、景山で夕陽を観てからレストランに向かう、とメッセージして景山に登る。


景山は故宮の真北にある小高い丘のような山で、面白いのは人工の山ということ。風水の背山面水の思想に従うべく、故宮に悪い気が流れるのを防ぐため、故宮の背である真北に人工の山を作ったとか。山といっても50メートルに満たないけれど、頂上にある万春亭からは故宮を一望できる。




こんなふうに。北京の空が烟っているのは、曇天だからではなく、空気が悪いせい。中国政府が協力し、何週間も故宮でロケして撮られた「ラスト・エンペラー」は、現実の街や人間を使って、史実といえどもあくまで虚構の物語を創り上げる、「現実が含まれた嘘」である映画らしい映画で、故宮を歩いてそこにあった生活に思いを馳せる時、脳内で繰り広げられる妄想で、主人公を演じてくれるのはやっぱりジョン・ローン。しかしこれほど大掛かりに、真に迫るべくセットではなく実際の故宮で撮ったのに、どの登場人物も皆、子役に至るまで、英語を話すことにおおいに違和感を覚えた。そこまで真に迫るなら、なぜ中国語を選ばなかったのかしら。演出上の問題?セールスを意識して?




と、頂上から故宮を見下ろしながら、考えるのもやはり映画のことで。烟る北京に陽が落ちるのを見届けて、山を降りた。