CINEMA STUDIO28

2013-04-22

Une vie de chat

 
 
アンスティテュ・フランセにて。今夏公開のフレンチアニメ「パリ猫ディノの夜」、日本で最初の試写を観ることができた。嬉しいな。父親を失ったショックから失語症になった少女と、少女の家の飼い猫ディノ。ディノはミステリアスな猫で、夜な夜な屋根づたいにどこかに出かけていく・・。
 
 
オスカーノミネートもされたアニメで、アニメ初の?フィルム・ノワール。ヨーロッパのアニメらしいニュアンスある色調の絵に、全編通じてJazzが効いており、声優として参加するフランスの名優たちに敬意を評して仏語の響きを楽しむために吹き替え版は製作しないらしい。「ママと娼婦」のことを考えていたので、ベルナデット・ラフォンが声の出演をしていたのに歓喜する。あの深く特徴ある声、久しぶりに聴いても印象はあまり変わらなかったな。
 
 
猫の柔らかい身体がくねくねとパリの屋根の上でうねり、エッフェル塔やセーヌ川といったパリのアイコンもばっちり登場、特にノートルダムのガーゴイルが舞台装置として絶妙な役割を果たしていた。暗闇のシーンもユニークで楽しかったし、女がつけすぎた香水が伏線となるあたりもフランスっぽい。画面と音がぴたっと合ってて最も好きだった、ビリー・ホリデイが流れるシーン、配給元がYOUTUBEにアップしててさすが。70分と手軽な時間だし、真夏の夜、大人がお酒片手に涼しい映画館で楽しむのが似合う。公開は7月とのこと。