CINEMA STUDIO28

2014-03-08

Kingston avenue / La règle de trois

 
 
2月のこと。アンスティテュフランセの、ヴァンサン・マケーニュ短篇特集、3本のうち残り2本。アルメル・ホスティウ監督「キングストン・アベニュー」、愛する女性を追ってフランスからニューヨークに渡る男をヴァンサン・マケーニュが演じていた。ニューヨークで破綻した関係を修復するため形振り構わない男。新しい男と暮らす女の部屋に、いかにも穏やかな時間が流れてそうな休日の朝に乗り込む様子は、ひりひりした痛々しさだった。ヴァンサン・マケーニュ、中心に入りたいのに蚊帳の外にしか居られない役柄が似合う…。
 
 
 
 
もう1本はルイ・ガレル監督、出演「La règle de trois」2013年の短篇。精神病院を退院したばかりの友人ヴァンサン・マケーニュ、ルイ・ガレル、ルイの恋人役にイラン出身の女優ゴルフシテ・ファラハニ。この時みた短篇3本は、監督作も出演作もひたすらヴァンサンは繊細すぎて社会にうまく適応できない人々を描いたり演じたりしていたな。内向きでしんみりした映画自体は脇に置いておいて、ルイ・ガレルが長らくパートナーだったヴァレリア・ブルーニ・テデスキと別れ、このゴルフシテ・ファラハニと付き合い始めた、というのを何かで読んで、ゴルフシテ・ファラハニは「別離」を観て感激した私が、アスガー・ファルハディ監督の過去作を探したときに観た「彼女が消えた浜辺」に出演した女優で、印象的だったので覚えていた。どちらも美しい人だけどルイ・ガレルと並ぶところを想像できなかったので、この映画でそれが見られてなんだか満足。まったく個人的な嗜好として、女優としては別としてヴァレリア・ブルーニ・テデスキの外見がまったく好きになれないので(俳優だとショーン・ペンの外見が苦手で、彼の出ている映画が観られないように)、なんとなくフムフムという感想。ルイ・ガレルは監督としても「小さな仕立屋」が素晴らしかったので、まとめて観てみたいな。