CINEMA STUDIO28

2015-05-14

Herbert Marshall




ルビッチ「天使」の余韻について、ディートリッヒのことばかり考えていたけど、あの映画の極上のエレガントさの根拠は、ディートリッヒを支える2人の男性にあるのではないか、と考えている。


メルヴィン・ダグラスと、ハーバート・マーシャル。どちらもルビッチお気に入りの俳優だと思うのだけど、とりわけハーバート・マーシャル。映画を観ている間は、どちらかというとメルヴィン・ダグラスが目につくのだけど、それはメルヴィン・ダグラスが目につく演技をしているからで、実はハーバート・マーシャルのさりげなくそこにある、声、話し方、姿勢、表情、立ち居振る舞い、着こなし、それらを総合した物静かな佇まいこそ、エレガンスと呼ぶべき何かではないのか。


「極楽特急」を観ている間は、女優2人に気をとられて、ハーバート・マーシャルに意識が向かなかった。あの映画をまた観る機会を作って、次はじっくり観てみよう。古い映画に出てくる俳優ではあまり、この人が出るから観る!という贔屓はいないのだけど、これからはハーバート・マーシャルって言う自分になる予感がする。