CINEMA STUDIO28

2015-05-17

Magic in moonlight

 
 
夢のようなルビッチ活動も終わり、心に穴が開いたよう…。しかしルビッチ活動のために見逃していた映画、何を見逃してたのか忘れるぐらいたくさんあるけど、徐々につかまえなければ…!体調優れずの週末だったけど、映画1本ぐらいなら座ってるだけだから大丈夫だもんね…と、さっと行ってさっと観て帰ることに。文化村le cinema(いつぶりだろう…)で、ウディ・アレン「マジック・イン・ムーンライト」を観た。
 
 
ルビッチ活動から現代映画への回復食…として、ぴったりの選択。1920年〜40年代の映画ばかり観ていたけど、この映画は現代につくられた1920年代の物語。コリン・ファース演じる有名なマジシャンが、友人から相談され、最近出入りして家族同然のような扱いを受けている占い師がインチキか本物か見極めてほしい、と会うことになる、占い師がエマ・ストーン。
 
 
エマ・ストーンの着こなす20年代ファッションの素敵なこと!上の写真はパーティーでとっておきのドレスを着ていて、コリン・ファースも「見違えたよ…」と褒めるセリフがあったのだけど、ゴージャスなこのドレスより、占い師は上流階級の出身ではない、という設定なので、普段は素朴な洋服を着ており、そちらのほうが素敵だった。
 
 
 
 
このシーンはフロント部分に刺繍?プリント?のあるこのドレスもさることながら、ロケーションが最高だった。南仏が舞台。
 
 
 
 
水着、「青髭8人目の妻」のクローデット・コルベールみたい。
 
 
 
20年代といえばローウェスト。最後まで物語を観て振り返ると、何かに取り憑かれた風のエマ・ストーンの表情、おかしい。
 
 
 
花のあしらわれた帽子、リリアン・ギッシュみたいだったな。ややカジュアル寄りの20年代ファッションが印象的だったのは、ルビッチ映画で贅を尽くした本物を見続けていたから新鮮だったのかもしれない。
 
 
映画としてどうかというと、ウディ・アレン映画は、本人が出演しないとすれば、主演男優が、ウディ・アレンが憑依したような演技をすることでお馴染み(私には)だけど、この映画も例外ではなく、コリン・ファースの演技の端々にウディ・アレン調が感じられた。ウディ・アレンはたまに女優にも憑依する…タロットカード殺人事件のスカーレット・ヨハンソンなど…けど、この映画のエマ・ストーンは憑依されることもなく、のびのびとエマ・ストーンの演技として存在していたなぁ。頑固な男が最後に素直になった瞬間を捉えて物語が終わるのも、昔からのウディ・アレン伝統芸で、ルビッチ・リハビリ中の私は、すんなりのんびりと観られる映画をうまく選んで正解だったな、と大満足で映画館を出た。