CINEMA STUDIO28

2015-10-31

TIFF2015 / 走り書きメモ8

 

東京国際映画祭、金曜の走り書きメモ。これは!と思った上映が金曜の昼間だったので有給取得。本当なら映画祭の間ずっと休みたいぐらいなのだけど、何気に仕事も立て込んでる時期で、なんとか1日の休みを捻出。
 
 
最終日は受賞作品の上映、クロージングのみなので、映画祭は実質、金曜まで。この時期になると、観られなかった映画の感想もちらちら聞こえてきて、ああ…人生において、観たい映画をすべて観ることなんてできないのだ。という当たり前の現実に心がしおしおするよ。
 
 
六本木にて終日。1本目、コンペティションより日本映画、小栗康平監督「FOUJITA」。オダギリジョーが藤田嗣治を演じる、そしてヘルメットのような髪型に丸眼鏡のビジュアルがフジタの特徴を捉えている…ということで、この秋話題の日本映画だと思うのだけど、それ以上にやはり、久しぶりの小栗監督作品で、きっと人生をなぞっていい感じの音楽が流れて終わり…のような伝記映画にはならないのだろうな、と思っていたら実際そうだった。撮影が素晴らしい…!
 
 
2本目、ワールドフォーカス部門よりホン・サンス「今は正しくあの時は間違い」。有給取得の理由はこれ。だって、ホン・サンスの映画が、六本木ヒルズで一番巨大なスクリーン7でかかるなんて…これを逃していつ次があるの…?平日昼間という時間なのに客席けっこう埋まっており、みんな大きなスクリーンで観たかったのね…?それだけの人数がいるものだからクスクス笑いもなかなかの音量で、映画祭の醍醐味をしみじみじ味わう。
 
 
3本目、コンペティションよりトルコ映画「カランダールの雪」。去年の「ナバット」のような、映画祭でかかることがなければ一生、観ることもなかった景色とそこで暮らすささやかな人々の物語。どうやって物語が閉じるのだろう…と見守っていたら、そう多くはない選択肢から最良の最後が準備されており、観る前後の期待値と感想のギャップという意味ではコンペではこれが私的ダークホースだったかも。
 
 
4本目、もちろんこの頃には心身へろへろしており、もう壮大な自然とか政治問題とか受け入れるキャパはありません…という状態だったのでチェコ映画「家族の物語」、最適な映画を観た。前半部分で一息つきながら息を整えたから、後半の展開にも着いていけたというもの。何よりも…犬!犬の演技…!Q&Aで監督から犬の演出についても聞けて大満足。
 
 
最終日、観客賞とグランプリの上映チケットも購入したので、今年は全部で18本。コンペティション中心に観る、という自分との決め事どおり全16本中14本観ることができた。全てのラインナップの中で、見逃して特に気になるのは…フレデリック・ワイズマン「ジャクソン・ハイツ」かな?巨匠の新作だもの、公開されることを祈りつつ、観た映画の詳細は、追って時間をかけて書いていくつもり。