CINEMA STUDIO28

2016-07-29

積みたくて




買おうかな、と考えていたバッグ、伊勢丹まで見に行く心の余裕を失ってるうちに情熱を失った。代わりに、というわけではないけど、無印にフイルム缶が売られている!?という情報を得て、FOUND MUJIまで見に行った。


BOX 2という特集で。働く箱。


http://www.muji.net/foundmuji/2016/06/222-box-2.html


リーフレット(PDF)


映画産業や映画フイルムを支える映画フイルム専用の保存缶は、国産映画フイルム発祥の地、神奈川県南足柄市の専門の製造会社でつくられています。この映画用フイルム保存缶は、国産フイルムと共に歩み、日々、進化をしてきました。遮光性、耐衝撃性、防錆に優れ、適度な通気性を持ったフイルム缶は、現像前のフイルムの感光を防ぎ、現像されたフイルムが上映に至るまでの流通、保管に欠かせない容器です。映画制作のデジタル化が進む中、フイルムにこだわって制作するつくり手も絶えることはありません。また、100年以上にわたる映画の歴史の中でつくられてきた膨大な数の映画フイルムは文化遺産とも言え、これからも大切に保管されていきます。暗室での作業の不自由さを少しでも軽減するよう、プレス機の微細なカスタマイズによって開けやすく閉めやすい繊細な設計。小さな16mmフイルム用の缶は、転がって暗室内で紛失しないよう角型となっています。映画フイルムという限定された用途のために工夫を凝らされた缶は、写真や紙もの、小物などの保管や整理にも役立ちます。(フイルム=映画用、フィルム=写真用、と専門家の中では区別されています。)


角型の中・小は品切れしていたので入荷連絡をお願いする。使わないモノは買わない買い物合理主義の私は、この買い物も少し躊躇したのだけど、部屋に重ねて置いているだけでニヤニヤするし、使い途もいくつかひらめいた。バッグの何十分の1かの値段で、良い買い物をしたわ…。そして現在、買い物合理主義の自分は積み上げたい欲求と戦っている。





だって、フイルム缶って積まれてる光景が一番かっこいいもの。ねぇ、トリュフォー(写真に話しかける)。使わないモノを買わないってだけで、積み上げるほど買っても使えばいいのよね。FOUND MUJIの会期中考えよう。


特集上映の入れ替え前など、届いたばかりと思わしきフイルム缶が映画館の階段に無造作に積まれるのを時折見かけたことも、そのうちノスタルジーになるのだろう。ここ数年で高揚した思い出は、追悼特集が始まる前、ユーロスペースの階段に積まれたロメール映画のフイルム缶。この中に私が観たいものが詰まってる!って近寄ってちょっと触ったりした。