CINEMA STUDIO28

2016-11-12

Thomas Ruff



東京は見事な秋晴れ。昨夜遅くに仕事がひと段落し、ぐずぐず眠っていたかったのだけど、ぐずぐずするだろう自分を想定してか、過去の自分がスパルタ的に朝早くから美容院の予約を入れていたので起き上がり、髪を切り、恵比寿の写美で杉本博司展に駆け込み、竹橋のトーマス・ルフ展にも滑り込み。会期ギリギリに展覧会に走っていく悪癖は今年も治らなかったね・2016。


http://thomasruff.jp/


トーマス・ルフ、あれだけの規模で写真を観たのに、写真を観たという体感が薄い。写真家と呼ぶのにも軽く抵抗があるけれど、面白くないわけではない、というのが面白かった。写真ではなく、コンセプトをひたすら提示されたような。各シリーズの説明、禅問答のようなキャプションがついていたけど、あの文字数で説明を考えた人を尊敬。観終わった後、常設を観に行って(東京で一番好きな美術館は、近代美術館の企画展ではなく常設の方かもしれない。いつも空いてるのもいい)、ようやく美術館に来た!という体感を取り戻す。




新聞から、この写真が何を表すのか、文字情報を排除し、写真のみ取り出して引き伸ばした(?)ニュースペーパーのシリーズ、妄想好きの私は面白く、そしてこれ、ルビッチ「極楽特急」の一場面!映画館で会える好きな男性番付・西の横綱ハーバート・マーシャルが写ってる。いつも映画館で会う人に美術館でばったり遭遇したみたい、オー!ダーリン!ハーバート!あなたこんなところで何してるの?って気分。




今回の展示、撮影可能だけど、場所(近代美術館)、展示名、作品名を記載するという条件付き。ハーバート・マーシャルの写真は、こちらの下のほうが作品名です。


http://thomasruff.jp/works/05_zeitungsfotos/


他に、夜の写真シリーズ、土星の写真シリーズは作品の成り立ちがロマンティックで好きだったな。グッズもあれこれ売られていたけど、トーマス・ルフグッズではなく、ルビッチ・グッズとしてハーバート・マーシャルの写真のポストカードやトートバッグがあったら買ったのだけど…。


トーマス・ルフ展、明日まで。奈良美智が選ぶMOMATコレクションの展示も素晴らしかった。意外なセレクトもあれば、ふかふかした犬の絵など、らしいチョイスもあって。配布されている小冊子がさりげなく豪華。


http://www.momat.go.jp/am/exhibition/nara_selection2016/